2013年3月26日火曜日

ひと押しのチキンスープ。


よく「こころのチキンスープ」という本を日本で見かけた。
多分シリーズものなのだろう。

私は初めてそのタイトルを見たとき、チキンスープに対して何も郷愁とか癒しとかいうものを感じなかったので、なんてアメリカ的な表現なのだろうと思ったものだ。
「こころのおかゆ」ならわかりそうなものを、と。(笑)

しかしここへきて、本気のチキンスープに出会う事になるとは思わなかった。

ことの発端は、日本人の友達に誘われて、例のギリシャレストランでぼったくられた日のことだ。
彼女は、私が昔にやっていた「にほんごスプロークカフェ」に来てくれて仲良しになった人。

ちなみににほんごスプロークカフェとは、ストックホルムで日本語を話したい人の為に集まってお茶を飲みながらお話する、というミニイベントのこと。
今はストックホルムの一角の図書館と、日本人会主催でやっている二つのカフェがあります。

で、彼女。
双子のボーイズのママでもあるのだが、ぼったくられデーの日、「着物ビジネスどお?」と気軽に聞かれたのでそつなくまあまあと答えていたところ、「実は私も起業したの!旦那様と一緒に!」とのたもうだ。

話をきけば、チキンスープ。
もともと旦那様ファミリーに受け継がれてきたチキンスープのレシピだが、スウェーデンにはおいしいチキンスープのブイヨンがないということで会社を起こし、これを作って売る事を決めたそうな。

私にとってチキンスープのブイヨンとは、クノールのブロック状のものだが、それはあくまで「インスタント」のものであり、本物のスープブイヨンではないらしい。確かに。今までそんなにチキンスープの事を考えた事がなかった。
そのあと彼女は、体にいいとかうんたらが効率よくとれるとか効能?を懸命に説いていたが(かわいいかった!)、単にオーガニックでおいしそうな響きが好奇心をくすぐり、質問攻め開始。最後には彼女らがブイヨンを作っている工場に見学に行かせてもらうことになった。

で、さっき帰ってきた。(笑)工場は私の家から二駅の、とっても近いところにあった。夏なら自転車でOK的な。世界遺産の墓地(といってもとってもおされな公園みたいです)のすぐ近くにある、落ち着いた駅から近い好立地。

工場は思ったよりも広くて、でも小さい工場らしい可愛らしさのある建物だった。そして、ブイヨンを作っている釜を見せてもらった。超いいにおいなんですけど!これ絶対まわりに住んでる人、何作ってるか気になってるはずなんですけど!

スウェーデンでは、箱詰めにされてストレスいっぱいで太らされる鶏ではなく、自由に外を歩き回った「フリーゴーエンデ」という卵や鶏肉に人気がある。(高いけどね)その工場でもこの自由に遊び回った「幸せな鶏」を、ぐつぐつぐつぐつぐつぐーつぐつぐつぐつぐつ野菜とともに煮込む。

お昼時にいただいた、そのスープのおいしいこと!従業員の人の味付けでちょっと辛めだったが、とにかくとにかく美味しかった。これが体にいいって、何か分かる気がした。確かにこの味が「リアルな旨み」を持ってる証拠であり、「リアルなニュートリション」を持っている証拠。

今、オーがニックショップや地元スーパーのICAなどにも置いてもらっているという。学校や病院の給食サービスの会社なども興味を持ってくれていて説明会もしているそうだ。

そして、さらに旦那様は、無料配給の食事として教会などにも配っているそう。ここがやっぱり社会貢献意識の高いスウェーデンです!いやん旦那様すごい!素敵!

でもさ、私もがんばらなくちゃ!って思えるほどウキウキする展開だね!本当に。
聞けば、旦那様は生粋の起業家であり、色々挑戦してきたまさにチャレンジャーだそうだ。かっこいい。彼女も実家が自営業で、自分で仕事を作るということに抵抗がないという。ああ、サラリーマン根性の固まりの我が手を見る…。いや、がんばります!私も負けません!!

心が疲れてるとき、彼女の頑張ってる話で元気になれる。私もがんばろーと思える、背中を押してくれる。彼女らの会社は私にとってきっと「ひと押しのチキンスープ」になるんだ。んでスープを飲めば、体も元気になれると。うん、まさに一石二鳥だ!!

というわけで、その会社の宣伝をここに。こっちは本物の「いち押しのチキンスープ」です。全てスウェーデン語っす。
「StockPot(ストックポット)」

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